ONI x VANITAS ウォレットが出来上がるまで

今回はVANITASによるONI x VANITASコラボウォレットがどのように出来上がるのかご紹介したいと思います!

デニミオでは6月から販売していたこのウォレット。

VANITASとはどのようなブランドなのか、この財布の何がそんなに良いのか。

 

このブログを通してわかると思います。「これはやばいシロモノ」だと(笑)

では行きましょう!!


VANITAS(ヴァニタス)ってどんなブランド???

VANITAS(ヴァニタス)とは、16世紀から17世紀にかけてヨーロッパ北部で多く描かれた静物画のジャンル。 人生の無意味さ、富や権力といった虚栄の儚さをテーマに、聖母や生命の象徴として薔薇や植物が描かれる一方、死の象徴として頭蓋骨が多く描かれた。
この西欧発祥のヴァニタスの世界観を、日本人レザーアーティスト松村氏が、 自身の視点と他では真似することの出来ない高い技術を駆使することで、 工芸美術品としてウォレットやバッグといったレザーアイテムに表現したブランド、それがウェアラブルレザーアートブランド「VANITAS」。

1枚の革から生み出される頭蓋骨と植物を組み合わせた造形は、 1mm以下の革を加工するリフトアップ(立体化)と、 2mm近い厚みを必要とするカービング(彫刻)という異なる2つの技術を、 松村氏独自の手法によって同一面上に共存させることで生み出されている。

こちらがデザイナーの松村清純さん

川崎市生まれで、横浜の工房で一つ一つ丁寧にこだわりを持って革製品をつくっています。

知る人ぞ知るブランドではありますが、そのブランド背景や人を知ると、自然と馴染み深いものになってくるのではないでしょうか。

今回はVANITASの財布の中で、特別モデルとして販売したONI x VANITASモデルが出来上がるまでの過程を、写真とともにご紹介していきます。


ONI x VANITAS ウォレットって?

ではまずどのような商品なのかご紹介。

VANITAS X DENIMIO コラボ ミドルウォレット EGO-01

FEATURE

-黒く染め上げた姫路ベジタブルタンニンサドルレザー
-茶芯
-ONI AIZUMI 生地
-カード収納としても使えるボックスタイプのコインケース
-6つのカードスロット
-隠しスロット
-すべて手縫い仕上げ
-Crafted in Japan

SIZE

10.0 x 15.0 x 3.0 cm [ 3.94 x 5.90 x1.18 inches]

コインポケット:7.0 x 10.3cm [ 2.75 x 4.05 inches]

こちらも知る人ぞ知るONI DENIMVANITASのコラボレーションモデル。まさにレア x レアの財布。

財布にONI DENIMの藍墨生地を大胆に使い、迫力ある浮き上がった鬼が竜驤虎視し佇んでいる

思わず興奮して普段使わない竜驤虎視なんて四字熟語を使ってしまった(笑)

竜驤虎視・・・威勢が盛んで天下を睥睨(へいげい)するさまをいう。

 


ONI x VANITAS ウォレットが出来上がるまで!

こちらの記事を書くにあたって、デザイナーの松村さん直々にコメントを頂きました。

今回ご紹介するのは、財布の外側を制作する際の一部始終。出来上がるまでに20以上の工程を踏みます…!

下記に記載するのは松村さんのコメントです。大変感謝しております。ありがとうございました。

 

1. ONI SECRET DENIMの画像を参考に革にトレースします。

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2. トレースが終わった画像です。

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3. 強調したい部分のみスェーベルナイフという道具を用いカッティングしていきます。

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4. カッティングが終わった画像です。

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5. ミュールフットという工具を数種類使い、より浮き立たせる予定の部分を打刻していきます。

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6. べべラという工具を数種類使い、ラインに沿って打刻していきます。

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7. 一通り打刻が終わったら、床革でリフトアップさせる為の土台を型紙に沿って描いて行きます。

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8. 描いたラインに沿って切り出します。

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9. 立体になったところをイメージしながら、切り出したパーツの厚みをそれぞれ調節していきます。

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10. 土台となるパーツ大小あわせて20個です。

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11. それぞれのパーツを貼り合わせて行きつつ、高さの調節も同時に行います。

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12. エッジの出すぎているところを鑢掛けし、筋肉や角の丸みまたは髪の流れを粗方作って置きます。

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13. 原図と床革で作製した土台、打刻が終わった本体です。本体にいたっては市場に出回っている、いわゆるカービングと言われるものはこの状態で完成品として売り出されています。

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14. 本体の裏に床革で作製した土台を配置し、立体化させて行きます。このとき全てのパーツの位置と高低(X軸、Y軸、Z軸)が本体と土台でリンクしていないと顔が歪んでしまい美しい仕上がりになりません。

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15. モデラという塑像に使う道具を使用し、ディティールを整えた物です。

16. 茶芯にするにあたり染料の浸透圧を高める為、革を濡らします。

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17. 黒の染料を塗っていきますが、元色のナチュラルカラーと反応し茶、焦げ茶、黒のグラデーションが出来ます。これを数度繰り返します。

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18. 塗り終わった直後の画像です。黒く見える部分は実際は濃い目の焦げ茶色です。

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19. 十分乾いたら、黒の顔料を塗って行きます。これを美しく仕上がるよう数度重ね塗りします。顔料は浸透しないため表面に留まり擦れることによって剥がれて行きますが、無理に擦ると銀面が傷ついてしまい、綺麗な色落ちにならない為ジーンズと同じで自然にゆっくりと色落ちさせて行くことが大切です。

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20.乾いたら財布の大きさにカットしAIZUMIと縫い合わせて行きます。

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※本製品の手縫いについて

本製品は全て総手縫い仕立てです。
エルメスでも採用しているクウジュセリエという技法で一点一点丁寧に仕立てています。
一本の糸の両端に針をつけて、8の字を描くようにクロスして縫い進めていきます。
元々は、丈夫さが要求される馬具製作から編み出された究極の手縫い技法です。
手縫いはミシン縫いに比べ、膨大な時間、労力、正確な技術力を必要とします。
それ故膨大なコストがかかり、市場で販売されているほとんど全ての革製品はミシン縫いで仕立てられているのが現実です。
手縫いにはミシンには出せない独特のステッチの美しさや、耐久性に優れているという特徴があります。
たとえ一箇所の糸が切れてしまっても、手縫いはミシン縫いのようなほつれを起こさずに強度を保ちます。
万が一糸が切れてしまっても修復が可能な為、永く愛用するモノには非常に適しています。


まとめに

今回はONI x VANITASのコラボウォレットについてご紹介させて頂きました。

制作の一部始終をご覧いただきましたが、

一つの財布の外側を作るだけに20以上の手順がある、それほど沢山の作業をして一つひとつの商品を丁寧に仕上げる、ということがわかったのではないでしょうか。

 

松村さんの作品に対する愛、こだわりを少しでも感じ取ることができれば幸いです。

気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!


店舗のご紹介

 

デニミオは在庫4000本以上を取り揃える国産デニム専門店!

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